幸福(しあわせ)の意思(石)
古来より日本には、「猪の目」という形があります。寺院の荘厳具や神社の破風などに刻まれてきました。また、刀の鍔や風鐸、建物の釘隠しなどにもこの形を見ることができます。
一方、皆さんが手や指で形を作って愛情や思いやりを表現するハートは、心臓をデザインしたものです。
猪の目は、邪気や不幸をこの形を通して追い出そうとしたものです。 ハートは愛や思いやり、友情を表現することに使われてきました
伝統的な「猪の目」の形と「ハート」の形は、偶然の一致ですが、どちらも幸福を願うこころを表現していることに変わりありません。
「大日如来像」は、インド・ベンガル湾に面した、ウダヤギリ石窟寺院にある大日如来像を模刻したものです。大日如来は、太陽が分け隔てなく生きとし生けるすべての命に平等に光を下さるように、私たちに慈悲のこころと知恵を与えてくださる仏さまです。
慈悲とは、虚心坦懐に人の存在を認め、許し、成長させようとする心です。知恵とは、諸行・諸法の道理を悟ることです。
人はみな幸せを願い幸福になろうとしています。誰一人、不幸を望んでいる人はいません。
私たちは、周囲に愛がなければ生きていくことは出来ません。
生きとし生けるものと共に、利楽と幸せを施授するという意思をもって生きていくことで、私たちは必ず幸せになれることでしょう。
令和3年12月29日