お盆は生と死の魂が交流する

お盆は生と死の魂が交流する

 間もなくお盆を迎えます。お盆やお彼岸にはお墓参りをされると思いますが、お盆とお彼岸ではその意味が少し異なっています。お盆の始めは「迎える」、その終わりを「送る」と表現し、お彼岸の始めは「入る」、その終わりを「帰る」と表現します。

 お盆には私は、ご先祖さまの御霊を一年ぶりにお家に「お迎え」して、懇ろに供養いたします。そして私たちは心残りですが、また来年会えることを楽しみに、御霊を「お送り」するのです。

 お彼岸では、「入る」と言います。私は、貪り 怒り 妬みなどの煩悩に満ちた現実の世界である此岸から、こだわりのない理想の世界 覚りの世界である彼岸に目を向け、心を彼岸に「入れ」ます。そしてお彼岸の期間に心を浄化させ、彼岸の心を忘れずに現実の日常生活に「帰る」のです。

 私たちは、お盆の供養でご先祖さまへの報恩感謝の気持ちを表し、お彼岸では、その心を養うのです。お盆には、迎え火を焚いてご先祖の御霊をお迎えし、「お陰さまで」「ありがとう」と思う心を取り戻したいものです。

 南無大師遍照金剛 南無過去聖霊 南無草木国土悉皆成佛

平成20年8月13日